白人問題

人種問題
しんじーにょ
しんじーにょ

ねぇねぇ、ゆきちゃん、人種問題と聞いたら何を連想する?

ゆき
ゆき

人種問題といえば、ぱっと思い浮かぶのは黒人問題かな・・・。

近年のブラック・ライブズ・マターの運動もあるし、アパルトヘイトとか公民権運動とか。

しんじーにょ
しんじーにょ

だよね。

ところで白人問題って聞いたことある?

ゆき
ゆき

え、ないよ。なんかこなれない響きだね。

しんじーにょ
しんじーにょ

でしょ、なんかぴんと来ないよね。

このあいだyoutube聞いてたら、白人性(branquitude)っていう話が出ていて、すごく目からうろこの話だった。

ゆき
ゆき

へぇ、ネグリチュードとか黒人性(negritude)は聞くけど、白人性なんて初めて聞いたわ。

しんじーにょ
しんじーにょ

結論から言っちゃうと、要は「人種問題」というときに、白人はその対象として考えられていないという話なんだ。

白人は「普通」「標準」「中立」であって、人種という見方の対象にされないという・・・

 

ゆき
ゆき

う~ん、なんかよく分かんないな。

しんじーにょ
しんじーにょ

例えばね、民族衣装と聞いたら、どんな服を思い浮かべる?

ゆき
ゆき

こんな服かなぁ

しんじーにょ
しんじーにょ

じゃぁ、これは?

 

ゆき
ゆき

これは普通のサラリーマン?

しんじーにょ
しんじーにょ

そうとしか見えないよね(笑)。

でもこれだって、もともとはヨーロッパからもたらされた「民族的な」服装だったんだね。

それがたまたま支配階層の文化だっただけに、これが「フォーマル」「まじめ」「信頼」という価値と結びついて、今日ではだれもが「普通」「標準」「中立」と信じて疑わないものになったと言うんだ。

ゆき
ゆき

そういう意味じゃ、私たち日本人も西洋の民族衣装で毎日暮らしているということね。

しんじーにょ
しんじーにょ

そう、ゆきちゃん以外はね(笑)。

日本人男性の正装が紋付、袴だと言って、それで会社に行ったら「ふざけるな」と上司に怒鳴られるでしょ。

今はわかりやすく服装を例に出したけど、要するに白人的なものが社会の当たり前になってしまっていて、倫理的、知的、審美的に優れたものだと考えられるようになった。簡単に言えば、白人はより信用できて、より頭がよくて、より美しいということなんだね。

ゆき
ゆき

ふむふむ。

たしかに日本のシャンプーのCMでも白人女性がよく起用されるわ。

しんじーにょ
しんじーにょ

映画の配役を見てもヒーローはだいたい白人男性。黒人は悪者か、いい者でもボディーガードとか。

で、最後は白人の美人と結ばれるという流れでしょ、だいたい?

ゆき
ゆき

まぁ、ハリウッドで作られる映画だからね。

しんじーにょ
しんじーにょ

でもブラジルでも状況は変わらないんじゃない?

実はブラジルって、黒人、混血が56.1%と数ではマジョリティーの国なんだよね。(※IBGEの2019年統計で)

国全体の人口比で白人は少数派なんだけど、国会議員や官僚、企業のトップ、俳優、医者、学者はまだまだ圧倒的多数が白人らしい。

で、話を人種問題に戻すと、上に見たような事情から、人種問題というと、白人を標準として、それ以外の人々を対象とする見方が当たり前になってしまっている。白人は人種として意識されないと。

で、今回なるほど~と目からうろこだったのが、白人の場合は人種として意識されず、きちんと個人として認識してもらえると。それに対して黒人の場合は「黒人」という人種カテゴリーでひとくくりに扱われちゃって、その中の個人にスポットが当てられないというんだね。

一つ紹介されていたエピソードなんだけど、ある黒人のカメラマンが黒人の写真ばかり撮り始めたところ、「なんで黒人ばかり撮るのか?」とよく聞かれるというんだね。でももし白人ばかり撮っていたって、だれからも「白人ばかり撮って」とは言われないと。白人の場合は、それぞれ人格のある個人として評価されるのに対し、黒人の場合は人種的にひとまとまりとして扱われる。

こういう見方は俺は考えたことなかったので、確かにな~とうなりました。

で、まだ先があって、メリトクラシーって聞いたことある?むちゃくちゃ乱暴に言えば、頑張ったやつが報われるって考え方だよね。それは裏を返すと、報われてないやつは頑張ってないからだという考えになっちゃう。

そんで、上に見たような白人の標準性と個人としての認識をミックスすると、今日社会の上層に白人がいるのは、彼らが個人的に頑張って獲得した結果だと考えられることに当然なっちゃう。

ゆき
ゆき

もちろん白人の人たちの中にも頑張っている人がいるのは言うまでもないし、それが否定されるべきではないわよね。

でもその頑張りが報われやすい環境があるってのがポイントなのね、きっと!

しんじーにょ
しんじーにょ

そうそう、その通り。

実際には歴史的に用意された様々な特権や恩恵があるわけだけど、それが見えなくなるんだね。で、それがまた「やっぱり白人はできるんだ」という白人の優越意識を強化するという悪循環になっちゃうと。

問題は同じ社会の中で、別の人種グループの人間が倍の努力をしても、白人たちの半分の評価、達成も得られないということなんだね。

ブラジルのような構造的に人種的不平等のある社会では、スタートラインがそもそも違うし、プロセスで降りかかる障害の数が全然違うということを加味しないといけないはずなんだけど。

ゆき
ゆき

なるほどね、なんとなくわかったような気もするけど、まだぼんやり・・・

で、最初に言ってた「白人問題」っていうのは、ようするに白人も人種なんだというとらえ方が必要ということ?

しんじーにょ
しんじーにょ

たぶんそういうことだと思う。

なんか今の状況って、白人がニュートラルで「普通の人間」と思われていて、その視線から見てほかの人たちを「人種」として扱っているみたいだね。

だからyoutubeで言ってた白人性(branquitude)を考え直すというのは、白人も一つの人種だし、黒人も「普通の人間」なんだという、当たり前のことを見直そうということだろうと理解したよ。

 

興味のある方は、こちらの番組をご覧ください。

 

 

 

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