昨日5月25日は、アメリカ・ミネソタ州で白人警官に拘束された黒人のジョージ・フロイドさんが死亡した事件から1年。フロイドさんの妹がバイデン大統領と面談したり、米国各地では追悼イベントが行われていました。
警察の暴力によって多くの黒人が命を落としているブラジルでも、様々な集会が行われたようです。
カポエイラ、サンバといったブラジルの黒人文化に関わっている私たちとしても、日本人ではありますが、ブラジルの黒人側に立って一緒に問題を考えられたらいいですね。
米国の思想家で世界中のフェミニズムに影響を与えているアンジェラ・デイヴィス(Angela Davis)が言った言葉だそうですが、ブラジルのカポエイラ界隈でも、こんなフレーズがよく聞かれます。
Em uma sociedade racista, não basta não ser racista, é necessário ser antirracista.
人種差別的な社会においては、人種差別主義者でないだけでは十分ではない。反人種差別主義者でなくてはならない。
差別に加担しないというだけじゃ足りないよ、なにか具体的な運動に参加しなきゃダメだって言われてるみたいで、なんかハードル高そうだなとも感じてしまいますよね。
ただその背景には、構造的人種差別(racismo estrutural)といって、ブラジルの人種差別は、個人的なものではなく社会的なもので、すべての人はそのシステムの中に組み込まれてしまっているという考え方があるんですね。だからよほど意識的にチェックしないと、それが差別だということにさえ気がつかない、それくらい不平等が自然なものとして感じられるようになってしまっているということでもあります。
さしあたって私たち日本人カポエイリスタとしても、こういう人種差別の話題に常にアンテナを張って、たとえば大坂なおみさんをめぐる問題や国内のヘイトスピーチに対して自分の立ち位置を定めておくというのは大事だろうと思います。
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