「Puxa puxa leva leva」の真相は?

 カポエイラのコヒードで歌われる「Puxa puxa leva leva」というフレーズは、歌い手の交代を促す合図か否か。ここ数年、会うメストリたちにぶつけてきた質問ですが、今回も答えは「ノー」でした。

 2018年2月18日に大阪の門真市立公民館で行われたメストリ・ジョーゴ・ジ・デントロの講習会に参加してきました。そして今回も同じ質問をしてみたのです。

 私はアンゴラ系のホーダしか知りませんが、いつごろからか「Puxa puxa leva leva」のフレーズが歌のリードを交代する合図として使われ始めています。それほど古いことではなく、例えば10年前には見たことがありませんでした。それがある日、あるホーダで私が「Puxa puxa leva leva, joga por cima de mim」と歌ったら、隣でビリンバウを弾いていた人が間髪を入れずにコヒードを歌い始めたのです。私としてはまったく予期していませんでしたので、二人の歌が重なってしまいました。これはブラジルでのできごとです。

 ホーダの後、どうして割り込むような入り方をしたのかと聞いてみたら、おまえが「Puxa puxa leva leva」を歌ったので、歌うのを交代して欲しいのかと思ったという説明でした。そのときに初めてそういう解釈もあるのかと思い、同時にそれが果たしてそもそもの意味なのかと疑問に思ったのでした。というのも古い音源などを聞いていて、さまざまなメストリたちが「Puxa puxa leva leva, joga por cima de mim」とか「Puxa puxa leva leva, joga por lado de cá」などと歌っていますが、そのタイミングで歌い手が代わるのを一度も見たことがありません。

 これは私の推測ですが、おそらくは動詞puxarのもつ「引っ張る」という意味、動詞levarの持つ「持っていく」という意味を利用して、次はお前がリードしてくれという意味でだれかが使ったんだろうと思います。それが少しずつ広まっていったのでしょうね。確かに動詞本来の意味からすれば、正しい使い方だといえます。ただカポエイラの歌の中では、もともとはそういう意味で使われていたのではなさそうです。

 それにしてもこちらの意味がそれなりに普及してしまっているので、私としては「Puxa puxa leva leva」を外のホーダでは半ば封印しています。うかつに歌おうものなら、他の人が飛び込んできますので(笑)!

 はたしてアンゴラ以外のホーダでも同じ傾向が出てきているのでしょうか?どなたか分かる人いらっしゃいましたら教えてください!

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