コントラ・メストリ・シャンダゥンが帰国して1週間たちますが、滞在中「ほとんどのメンバーにbase(土台)がない」というお叱りを受けました。そこであらためて基礎固めを徹底しようということで、ベーシックな動き、楽器や歌の基本中の基本を見直しし始めています。
そこで意識の高い人たちはとっくにしていることですが、メンバー全員に練習ノートをつけることを提案したしだいです。その日にやった練習、2人組みのものなら動きの組み合わせ、気をつけるポイント、歌の歌詞やその意味などを書き留めていくわけですね。ただ漫然と練習しているだけでは、また次のときに動きの順番も思い出せない、同じ歌の歌詞を繰り返しホワイトボードに書かなければいけないということになります。要は「確実に積み重ねていきたい」という学ぶ人の気持ちしだいなのですが、それをサポートする手段として毎回ノートをつけるのはとてもいいと思います。目的は忘れないこと、刻み込んでいくこと、ですね。
ところで先日メンバーの一人がとてもいいことを言っていました。毎回の練習の後、今日は自分のために何を練習したか、グループのために何を練習したかを振り返るのが大事だと思うとのことでした。カポエイラを始めた年月で言えばまだ初心者と見なされる方ですが、この人はカポエイラのエッセンスを理解してきているなと、とても感心させられました。大事なのは後半ですね。いうまでもなく練習のすべては自分のためですが、グループに貢献するという視点で練習の取り組み方を見直してみるのはとても重要です。この視点を持つと、自分の都合で簡単に練習を休むことさえ憚られるようになるでしょう。
あるグループが取り仕切るホーダのよしあしは、そのグループの総合的な力の反映です。バテリアのクオリティー、参加者の表情、ビリンバウのアラーミが切れたときの対処、楽器の交代の仕方などなど、技術的なレベル、儀礼的な知識がすべて問われます。コントラ・メストリ・シャンダゥンが「バテリアはそのグループの名刺だ」というのはこのことです。その意味でカポエイラは「団体種目」なんですね。ポルトガル語では「Capoeira é coletiva.」という言い方をします。120点のずば抜けたカポエイリスタが2、3人いるより、全員が80点のほうが、全体としていいホーダができるのはそのためです。
まだ始めていない人は、明日から練習ノート、ぜひ導入してみませんか。100円の投資のみかえりはプライスレスです!その中で「グループのため」という視点でも練習を振り返ってみてください。
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