かねてから漠然と不思議に思っていたが、体力ではなく頭脳勝負の将棋の世界に、どうして男女のカテゴリー分けがあるのかということ。
今朝たまたま「『なぜ女性棋士はまだいないのか』女流棋士の私が考えてみた」という記事をネットでみかけたので、なんでもカポエイラに引き寄せて考える癖を持つ私的には、「なぜ女性のメストリはまだ少ないのか」問題に重ねて、読んでみた。
女性の将棋指しには「女流棋士」と「女性棋士」の2種類があるという。前者は、男性より低い棋力で認定される女性だけの世界。後者は男性と同じ基準で認定される、藤井さんや羽生さんたちの、あの「普通」の将棋界だ。
その2つの世界にどれくらいの基準の差があるかについて、女流棋士の上田さんによれば、
女流棋士になるためには、「研修会」という将棋連盟の育成機関に入り、B2以上などの一定の成績が必要になる。そして女性棋士とは女性の棋士であり、(男性が)棋士になるのと同様、「奨励会」という育成機関に多くの人が6級で入り、四段になる必要がある。6級から四段まで10年近く在籍することも珍しくない。研修会B2が奨励会6級入会とほぼ同じ棋力という認識があり、現状では女流棋士と棋士には棋力に差がある。女流タイトルホルダーが奨励会三段に所属しているものの、現在に至るまで四段として棋士になった女性は1人もいない。
女流名人とか女流王将というタイトルの名前はニュースで耳にしてきたが、女流のトップは男性の四段にも満たないということになる。本当にこんなことがあるのか、私個人的にはかなり疑わしく思うが。
で、肝心の男女の棋力の違いについて上田さんがあげているのは、
①競技人口の違い:男性に対する女性の割合は2割に満たない。将来的に女性の割合が増えればその中から強い人も出てくるだろうという考え。
②男の子・女の子の遊びに対する興味の方法性の違い:将棋という勝負事には男の子の方が興味を示す。
③生理という生物学的な違い:女性には生理やPMS(月経前症候群)があり、強い眠けや気力の減退がある。このことは限界まで深く読む集中力が求められる将棋の勉強や対戦において不利。
ようするにそもそも母数が少ないうえ、競技の性格的に女性には不向き、さらに生理という女性の特性が実力向上の妨げになっているということが、いまだ女性棋士が誕生していないという事実の背景にあるということだ。
なるほど、これら全部カポエイラをする女性にも当てはまるが、将棋の「奨励会」に当たるような機関もなく、そもそも対戦成績といった数字で示せる客観的基準で任命されるものでもないメストリ、メストラの世界には一概に当てはまらないだろう。とはいえメストリになる基準をデジタルで表示されても困るが(笑)、逆にそのアナログな恣意性にこそ、任命する側の、あるいはそれを取り巻くカポエイラ・コミュニティーのジェンダー不平等の入り込む余地があるのだろう。
結局もやもやは晴れず。
「なぜ女性棋士はまだいないのか」女流棋士の私が考えてみた
https://bunshun.jp/articles/-/40150
コメント