メストリ・エゼキル（Mestre Ezequiel）のコヒードに「Capoeira é bom ai ai ai, não sei por quê. （カポエイラってすごくいいものだけど、なんでかは分からない）」という歌があります。
カポエイラをしている人ならそれがどんなにいいものかはみんな分かっているけど、いざそれを説明しようと思うとなんと言ったらいいかまとまらないというのは、これまた誰にでも経験があることではないでしょうか？
今回のヴァジアンドでみんなで考えてみたいのは「いいジョーゴとは何か？」というテーマです。
みなさんはどう思いますか？あらためて聞かれると迷っちゃいませんか？
いいジョーゴ＝すごいジョーゴ＝技術的に難易度の高いジョーゴというわけでもなさそうですよね？確かに重なる部分もある。でもすごくなくてもいいジョーゴというのもありそうです。では、そのはみ出した部分をいいジョーゴの絶対条件だとしていいのでしょうか？平和的なジョーゴ、笑顔のあるジョーゴなんていう表現も、無難にいい人ぶれる気はしますが、実のところ何の説明にもなっていない気がします。
一方で、あるジョーゴを見た時に、それがいいジョーゴかそうでないかは、おそらく見れば誰でもすぐ分かると思います。分かるというか感じられる。ピピッとくるものがある。もちろんその人が習っているスタイルの問題もありますし、好き嫌いの問題もありますが、仮に自分の好みじゃないジョーゴであったとしてもそれがいいジョーゴか悪いジョーゴかの判断は、それなりにカポエイラを理解している人であればできるだろうと思うんです。
だとすると、それはどういう条件が整っているときに私たちは「これはいいジョーゴだ！」と感じるのか？ぼんやりしているものを言葉で表現することにチャレンジしてみようというのが、今回のチャレンジです。
あえて難しい言い方をすれば、こんなふうにも言えます。カポエイラは主観的なものだ（Capoeira é subjetiva.）と言われるが、「いい」の中身もカポエイリスタの数だけあっていいのか？あるいは、各人の好みを超えてカポエイラの本性に根差した、ある程度共通の「いい」を取り出すことは可能か？という問題です。
えっ、「そんなこと考えて何になるんだ？」って？「ブルース・リー師匠もおっしゃっているじゃないか『考えるな、感じろ』と。自分が分かっていれば十分じゃないか」って？
もちろんそれでいい人はいいんですが、ただ私たちが大好きなものの魅力を言葉にできれば、それをほかの人に伝える時にも伝えやすいと思います。もちろん完全にとらえきるのは無茶だとしても、「とにかくいいものはいいんだ。やれば分かる」と言わなくても済むようになるかもしれません。
というわけで、面白そうだなと思う人は、ぜひ11月5日13時からヴァジアンド2022いらしてください。
Vadiando（ヴァジアンド）はアンゴレイロス・ド・インテリオールが毎年開催しているカポエイラ・フェスタです。練習成果の発表やグループ内外の方々との親睦を目的とした、まったり、ほのぼの、ジョーゴたっぷり、お腹いっぱい、かつお勉強にもなる、楽しい集いです。
11月5日（土）
【プログラム】
10：00-11：30 エロイーザのサンバ・ジ・ホーダ レッスン
（お昼休憩）
13：00-14：30 ワークショップ「いいジョーゴとは？」
14：45-15：15 ジェームス＆トイシーニョのビリンバウ・コピー試奏
15：20-15：40 子供クラスの発表
16：00-17：30 親睦ホーダ
17：30-18：00 サンバ・ジ・ホーダ
18：00-20：00 打ち上げパーティー（一品持ち寄り）
■エロイーザのサンバ・ジ・ホーダ レッスン
いまや日本を代表するサンバデイラ、エロイーザが山口から来てくれます。確かな技術は言うまでもなく、それを分かりやすく楽しく伝えられる彼女はまさに伝道師。今回はカーニバルのサンバではなく、バイーアのサンバ・ジ・ホーダに特化して教えてもらいます。男性は男性のステップを習えますよ。
■ワークショップ「いいジョーゴとは？」
百人いれば百通りありえるだろう「いい」ジョーゴについて、まずは久保原の考える「いい」を具体的な映像を見せながらお話し、その後みなさんと意見交換をするなかで、どこまで「いい」を絞り込めるものか、実験的なディスカッションにしてみたいと思います。
■ジェームス＆トイシーニョのビリンバウ・コピー試奏
youtube動画にあるジェームス＆トイシーニョの超絶演奏の完コピを目指して頑張った成果の発表です。
ちなみに元ネタはこれです。https://youtu.be/w8YSYjkcgXE
【服装】グループに所属している方はユニフォーム（長ズボンと室内シューズを着用ください）
【参加費】無料（サンバレッスンのみ1,500円）
【お問い合わせ】liberdade@magic.odn.ne.jp（久保原）まで
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