「カポエイラしか読まないポル語読解講座」の次のお題は、メストリ・ヴァウデマールです!
ヴァウデマールという名前はカポエイラの歌にもたくさん登場しますし、カポエイラの歌=ヴァウデマールが一番というイメージは日本のカポエイリスタの中にもわりあい定着しているのではないでしょうか?
しかし実際に今日にいたるカポエイラの躍進の中でメストリ・ヴァウデマールが果たした功績はそんなものじゃありません。
サルヴァドールのリベルダージ区で彼が主催していたホーダにはバイーア中のメストリたちが通っていました。
カポエイラ史上最高のレコーディングとされる「メストリ・トライーラ&コブリーニャ・ヴェルジ」のバテリアも実質的にヴァウデマールのホーダから生まれたようなものです。
短編映画『Vadiação』でヴァウデマール、トライーラがビリンバウを演奏し、クリオ・ヴェーリョ、ナジェらがジョーゴをしている、あのメンツはヴァウデマールのホーダの顔ぶれです。
サンパウロに移住する前にメストリ・アナニアスが参加していたのもヴァウデマールのホーダ。
メストリ・アメンがカポエイラを始めるきっかけになったのもヴァウデマールのホーダ。
若きメストリ・カミーザやリオからカポエイラ修行にバイーア通いをしていたグルーポ・センザーラのメンバーたちがアンゴーラに触れたのもヴァウデマールのホーダ。
今日メストリ・ネゴアチーヴォやトレイネウ・ジェームスが低いチューニングのビリンバウを復活させていますが、そのオリジナルはヴァウデマールのホーダ。
今日では当たり前になっている、ビリンバウにカラフルな彩色を始めた元祖もメストリ・ヴァウデマールです。
今回読むのは、在野のカポエイラ研究者の重鎮フレッジ・アブレウがまとめた『O Barracão do Mestre Waldemar』(メストリ・ヴァウデマールのバハカゥン)です。「barracão(バハカゥン)」というのは「小屋、バラック」の意味で、ホーダが行われていた簡素な小屋のことを指します。
普段は、カポエイラ・ヘジオナウ=メストリ・ビンバ、アンゴーラ=メストリ・パスチーニャ、はい、おしまい、となることも少なくないですが、バイーアのカポエイラの知られざる「本流」がここにあります。
興味のある方は、毎週水曜日の私たちの夜会にいっしょにいかがですか?メストリ・ヴァウデマールは6月9日からスタート予定です。 ポル語は全然自信ないという方は、ほかの人の訳を聞いてコンテンツの勉強メインというのもOKですよ!
「カポエイラしか読まないポルトガル語読解講座」
■日時:毎週水曜日 午後9時から10時(60分) Zoomを利用します。
■進め方:
①決められた範囲を参加者全員で訳してきます。
②段落ごとに当てられた人が翻訳を発表し、久保原が補足、解説します。
③発表者以外の参加者も疑問、質問を自由に出して、みんなで話し合います。
※欠席した人にはその日の日本語訳文と授業の録画を配信しますので、フォロー態勢もばっちりです!
■読む文献:『O Barracão do Mestre Waldemar』(フレッジ・アブレウ、2003)
■参加費:10,500円(3か月・12回)
■お申込み、お問い合わせ:liberdade@magic.odn.ne.jp(久保原)まで。
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